南シナ海のアユンギン礁近海で17日にフィリピン海軍の補給船と中国船が衝突した事件で、フィリピン兵7人が負傷、1人は指を切断する重傷を負っていたことがわかった。フィリピンメディアGMAが18日に報じた。武器を使用した衝突につながりかねない事態で、中国が妨害行為のレベルを一段上げた形だ。
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両国が領有権を争うアユンギン礁は、フィリピン軍が古い座礁船を拠点に実効支配している。
GMAによると、この軍拠点への補給に向かっていたフィリピン海軍の船が中国側から「攻撃的な行動」を受け、中国側の乗組員との乱闘が起きた。その際に7人がけがをしたほか、銃8丁が奪われた。また、乗員がいた作業ボート4隻が中国側に一時拿捕(だほ)されたことも判明。交渉の末に解放されたものの、船体に穴を開けられたという。
フィリピン軍は中国側の妨害を避けるため、6隻の船を別々のルートから航行させたが、すべての船が妨害に遭った。フィリピン当局は「今回の任務は純粋な軍事作戦」とし、中国側の行動を軍への攻撃行為ととらえている。テオドロ国防相は17日の声明で、「軍は中国の危険で無謀な行動に抵抗する」と宣言。本格的な衝突が起きる寸前まで緊張は高まっている。
フィリピンの同盟国である米…